ほわいと ★ すかい
★.....four day
穏やかな朝日に包まれた町の景色…
冷たい空気が薄い氷を張ったように、透き通る雲が空を覆っている…
その袂にたたずんで、ヒトリ水色の空を見上げてる私…
「…"昨日の"って…」
物理か数学の教科書でも見ているような難しい顔で呟く私…
振り返ること13時間程前…
学校のトイレで、誰にも気付かれずに個室の壁にもたれて気を失ってた私…
頭が少し痛いくらいで、カラダも服にも異常は無し…
ただ断片的に残ってた新しい"人形の夢"の記憶…
(夜にも夢見た気がするけど…なんか違う気がする…)
思い出すと胸がムズムスと痒くなる…そんな風になるのは夕方の夢の方だけ…
(それに夜の夢はほとんど覚えてないよ…)
それが"正常"な夢だって気もする…
(だけど…なんでトイレなんかで…?)
意味があるようでソレが気に掛かる私は、家を出る前から
こんな調子で考えていた…
ポン…
「わっ!?」
軽く頭を叩かれて声を出す私。
振り向くと困った顔の鳥乃くんと、遠巻きに笑ってる小学生の子供たちが見えた。
「綾川、考え事するなら場所は選べよ…」
「えっ、へっ??」
一日ぶりのその優しい顔にドキドキ一杯の私。
そんな私の視界を横切り、スッ…と見上げてた先の空を指差す鳥乃くん…
「カァ!」
「わぁ?!」
その先にある電柱の天辺で、大きなカラスが一声鳴いた。
「えっと…"アレ"さっきからいたの…?」
"人形の夢"のコトを考えてた私は、全くカラスが見えてませんでした。
「…気づいてないと思ったよ、いくら綾川でもカラスと会話しないもんな…」
「あっ、あはは…♪」
連日"人形の夢"を見てる私に、微妙に突き刺さるそのお言葉…
ゆっくり歩き出す鳥乃くんの隣を、早足についていく私。
「あっ、鳥乃くん風邪治ったの?」
くしゃみもセキもしてないことに気づいて、話を変える私。
「ああ、体力には自身があるからな、1日休めば十分だよ。」
「カッコいいっ!!」
穏やかにしゃべる愛しい人の横顔に、思わず熱のこもった一声をあげる私。
「…そう…か?」
私のオーバーリアクションにやや照れてる?感じの鳥乃くん。
(そんな純粋なトコロも好きなんだ…♪)
とか、生意気な事をココロで呟いて、ほっぺを赤く染める私。
「キモい!」
「いぴぃ!?」
いきなり後頭部をはたかれて、変な鳴き声をあげちゃう私。
「朝からツッコミ精神旺盛だな芳川…」
驚きながらもヨッちゃんに挨拶する鳥乃くん。
「"ぬるい"ラブストーリー見てるとイライラするたちなのよ…!」
不機嫌なヨッちゃんのお言葉が理解できない私。
「…よくわからんが友人の頭を朝からぶっ叩くのはどうかと思うぞ?」
"そうそう"とうなずいて鳥乃くんに賛成する私。
「ふぅ…鳥乃くんは"世話好き""過保護"タイプよね…
そんなんじゃソラが"ダメ女房"になるわよ…!」
「ええっ?!」
色々驚いて顔全体が真っ赤になる私。
「…そうか?意識してないが綾川の子供っぽさの原因が俺のせいなら
注意しないとな…」
しっかりと本気にする鳥乃くん。
言葉を探しながら"違う〜"と頭を振る私…
「そうそう、"甘さ"ばかりじゃソラがいつまでたっても成長しないのよ…!」
ポン…と私の肩を叩くヨッちゃん。
「うう…そうだけど…私のココロの準備がぁ〜」
ちょっぴり泣きそうな私の顔。
「試練よ試練っ!」
のんびり"他人事"のように言うヨッちゃん。
「2人で何ボソボソしゃべってんだ?」
歩幅のせいで先に進んでた鳥乃くんが、振り返って問いかけてくる。
「ソラも"がんばる"からご指導よろしく!だそうです。」
「ええっ!?」
片言も思ってないコトを代弁しちゃうヨッちゃん。
「そっか…綾川も本気なんだな、がんばれよ!」
「うっ、うん♪」
優しい笑顔からの一言に、おもいっきりうなずく私。
(…っていいの??)
自分にツッコミ入れてる私を置いて、スタスタ先にいく2人。
(うわん!もう"きびしい"の始まってる…?!)
その後ろをモタモタ追いかけていく情けない私…
(ああ〜全部"人形の夢"のせいだぁ!)
朝一番の"上の空"の原因を思い出してココロいっぱいに嘆く私。
その随分後ろ…安堵の息をつく母さんの視線があることに、
私は気づいていませんでした…
▼
|