ほわいと ★ すかい
★.....two day
さらら...
「うぅっ‥さぶい…?」
制服の襟元から首筋を触って吹き抜けるそよ風…
「………」
"穏やか"って言葉が一番似合う、うす水色の晴れた空…
目に見えない小さくて冷たい銀の粒々が、夏色のギラギラ太陽を包み込んで、
冬への準備をしているみたい…
「この感じ…好きだなぁ…♪」
まるで早朝みたいな爽やかな色に滲む町に、気持ちわくわくしている変な私…
「…って、小学生が不気味がってるぞ綾川。」
「はっ!?」
唐突に頭のてっぺんをポン‥と叩かれて、惚けから覚める私。
振り向いた私の後ろに立つ、私の頭"2つ分"背の高い男子。
「あっ‥おはよう鳥乃くん…♪」
鳥乃 翔青(とりの しょうせい)…
同級生とはおもえない大人びた落ち着いた雰囲気と、優しい顔の男子。
指差す小学生たちを余所に、あきれた表情の彼に自分なりの微笑を向ける私…
「…うっ、寝起きで機嫌悪いのか綾川っ…!?」
ちょっと青ざめた顔でひいちゃう鳥乃くん。
それ以上に青ざめてるショックな私の"キモチ"…
「…はいはいソコっ、小学生の前でラブラブショーしないっ!」
私たち2人の後ろから、ゆっくり歩いてくる鳥乃くんと同じ背丈の女の子。
「おはよう ヨッちゃん…♪」
気持ち切り替えて元気に声をかける私。
ヨッちゃんコト芳川 貴梨枝(よしかわ きりえ)…
私の小学生からの長い親友で、クールでキリッとした細い目が特徴の女の子。
手をプラプラ〜と振って返事を済ませる淡白なヨッちゃん。
「おいおい芳川…俺は今"ぼー"としてる綾川に話しかけたばっかだぞ。
そんな冷やかし、綾川が迷惑するだろ?」
落ち着いた声で私の心配をしてくれる鳥乃くんの横顔に、ほっぺに熱がこもる私…
「わっ、私は別になんともっ…!」
思ってることがうまく言葉になんない私は、尻切れトンボな言葉をこぼす…
私たち3人の家は同じ通学路上にあって、みんな"歩き派"なので、
こんな風に会うことも少なくない。
ただ…最近、鳥乃くんに特別な感情を抱く私が、
その中間地点で"待ってて"その遭遇率はぐっと上がっている…
見上げた先にある優しい表情…ソレに癒される私のキモチ…
「…綾川、俺を睨まないで芳川にちゃんと抗議してくれないか…?」
「はひ…?!」
じぃ…と見てた私に、困った鳥乃くんの言葉が降り注ぐ…
再びショックで青ざめる私の"乙女"のキモチ…
「…ふっ、相変わらず不器用"極めてる"わねソラ…」
「えっ、ヨッちゃんまでっ!」
背の高い2人からのため息に、私のココロに"朝一番"の木枯らしが吹く…
「おっはよー!元気か皆の衆〜♪」
突然に横から割り込んでくる大きくて元気な声。
「…あっ、フクちゃん おはよー♪」
ふっくらした大柄の女の子が、道路脇の家から手を振って出て来る。
フクちゃんコト福原 祐己(ふくはら ゆうこ)…
ヨッちゃんと同じく小学校からの親友で、陽気ですごく明るい女の子。
「…ふ〜ん、どこかで見たボロ家だと思ったらアンタん家だったの〜」
淡々と嫌味を呟くヨッちゃん。
「あら"目ギツネ"、またソラの邪魔してんのアンタ?!」
ギロッ‥って大きな目と声で言い返すフクちゃん。
「あっ、2人とも朝からいきなりっ…!」
睨み合う2人の間を小さな体で遮る私。
この2人、昔からケンカ好きなんです…
「…おいっ、俺は先に行くぞ。綾川たちもほどほどにして急げよ!」
「えっ、私もっ!?」
時計を見て、急に駆け出す鳥乃くんの言葉にまたまたショックな私。
「…って、ホントだ。ヨッちゃん、フクちゃん、時間ないよ!
"ソレ"置いといて駆け足しよっ!」
大きな声で2人に呼びかけて、鳥乃くんの後を追いかけて行く私。
「ふっ…こういう時のソラは"強い"ね…♪」
「ふふ、ソラは普段が"抑えすぎ"なのよ…♪」
呟きながら私の後ろを追いかけてくる2人の友人。
振り返ってその様子に微笑むと、息を切らしながら
大好きな人の背中を目指し、全力で走る私でした…
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