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目を覚ました緋百合が見たのは覗き込む妹の顔だった‥

   「よっ!アホ姉貴。」

     その向こうに天井の背景‥
  自分が横になっていると気付く‥
  そして厚手の布団の重みと温かさを緋百合は感じた‥

  「ほんと、ばっかじゃない!?のぼせるまで長湯してさ!
  わたしゃー驚いたよ!」

    風船のように頬をふくらませ怒る紅葉。

     明るく部屋に、いつもの紅葉‥
     けれど緋百合が先刻お風呂で体験したものは‥

    「…ねぇ、私の他に誰かいた?」

     無意識に言葉が紡(つむ)がれた‥

     「はぁ??!」

     大きく口をあけて呆(あき)れる紅葉。

     「頭打ったんじゃないのぉ?お猿の露天風呂じゃないんだよ?   変なとこ痛くないよねぇ?」

  少し真剣な顔で紅葉は緋百合の後ろあたまを調べだした。

   「‥ごめんもみじ、頭に痛い所はないから‥」

    「ほんとにぃ?床で股おっぴろげでぶっ倒れてたのぃ?」

     「うっ‥“おっぴろげて”倒れてたんだ‥」

     「もう、アレが丸見え!
  エロさ以上にマヌケさに涙したよ‥」

     ふぅ―――と長いため息の紅葉。
  想像した緋百合は真っ赤になる。

     (あれ‥?)

     緋百合は突然何かを忘れる‥
  それが何かはわからないが、
  記憶が抜け落ちる不快感がしっかりと感じられた‥

  (あれっ?何?何を忘れたの?)

     必死にそれを拾おうとするがすでに闇の中‥
  はっきりとする違和感を胸に、
  緋百合の時間は、鼓動に合わせ時を刻んだ‥
















    
  時間は流れる‥

       わずかに灯った明かりが消えて、
  家の中は外の山と同じ夜の無色一色に染まる‥
  庭と部屋との境の縁側の廊下‥
    雨戸が覆うそこは更に深く闇に染まる場所‥

     「…久々にトイレが恐いなんて思ったよ…」

     襖を開き、闇の先にある厠(かわや)を見つめて、
  ぼそりと紅葉がつぶやいた…。
  その紅葉の背後で小さな寝息を奏でる緋百合…

     「姉貴の言うとうり、寝る前にいっときゃよかった…」

     ぶるるっと寒さにもよおしを刺激された紅葉は、
  ぎしぎしと無色の闇の廊下を歩みはじめた。
  雨戸の向こうでそよ風に揺らされ、様々な音が囁きをたてる…
  小さな騒音は闇の中を彷徨い、
  紅葉はキョロキョロと音に怯えた…
  やがて行き止まりの戸の前に立ち止まる‥
  風呂へとつながる横の戸と同じものなのに、
  正面のそれがとても薄気味悪く見えた‥
  唾を飲むと取っ手を引いた…

     ひゅぅ…と冷たい風と独特の臭みがもれだしてきた。
  鼻をつまみつつ中の灯りをつけた…

     「うげぇ…やっぱり‥」
  
板床に土壁の小さな部屋の中央に和式便器がある。
  水洗のタンクはなく、便器の底にぽっかりと空いた黒い穴‥

     「くぅー 目にしみる‥」

     鼻を劈(つんざ)く異臭は玉ねぎのそれより酷い刺激。
  涙の滲む目でさらに探る紅葉‥

     「うわぁ‥紙もすごいよ‥」

     便器の横に箱があり、束ねた四角い紙が立ててある‥
  茶ばんだそれ以外に拭くものはない‥

     「…こんな異次元にいって、“すっきりした♪”
  の一言ですむ姉貴が恐い…」

    くしゅん、と夢の中の緋百合。

     現代の洋式便所しか知らない紅葉には拷問的空間だが、
  冷えるせいか尿意は高まる一方。
  しかたもなく中に踏み込み、片手で浴衣をたくし上げ、
  もう片手でぱんつを下ろして穴へとしゃがみこんだ…

     「ひぃ…近づいたらさらにエグイ…」

     しくしくと不気味さを余裕でまさる不潔さに泣く紅葉。

     ひょぉ…

     「うひっ!」

     穴からそよ風があがり、構える紅葉のあそこを撫でた‥

     「ううぅ‥とにかく最悪‥」

     鳥肌浮かべながら固まる紅葉。
  それからも尿をたすのに紅葉の一人苦労は続いた…
  
















  
  ちょろ‥

  最後のしずくが闇の底で音をたてた‥

     「はぁ…なんかとてもしあわせ…」

     ぎりぎりまで我慢する結果になった紅葉は、
  “成し遂げた”顔で一息吐いた。
  すかさず紙を取り股口にあてる‥

    「‥ごわごわじゃん‥これ!」

     「うう‥アソコを雑巾がけしてる感じ‥」

     いつまでも続く紅葉のぼやき‥

     ひゅぅ‥

     「わぅ!だからきもいっ‥」

     再びアソコをいらう風の穴を見下ろした紅葉。
  便器が緑色に変色しているのに気付く。

     「‥なによこれ‥?!」

  変色だけではない‥そこには顔が浮き出していた‥
  便器の頭にわし鼻と黒目のない死人の目‥
またがる便器の溝がまるで口のよう‥   そしてそれはしわのある老人の顔に見えた‥

     「わっ‥!?」

  唖然としていた紅葉の手足に
  緑の帯のようなものが巻きついた。
  見れば床と壁全てが
  カビに覆われたかのように緑に染まり、
  帯はそれらから生えるように伸びている。
  しかも天井より両手を絡める帯の根元には
  くちびるが浮き出し、けたけたと笑っていた‥

     『若いおなごの匂いじゃ‥』

     老人のしわがれた声がする‥   ふたたび目を下に向けると便器の溝がもごもごと動いた。

     「なっ‥なによこれ!?」

    手足を振りほどこうとするが帯はしっかりと巻きついている。

    「緋百合ねえちゃ‥??

     現実を確かめようと叫んだ声が、突如囁きになる。

     『ふほほ‥よいよい、元気なは良いことじゃ‥』

     老人の顔は微笑むかのように、ぐにゃり皮を歪ます。

    「あーっ!…なに?耳が遠くなったみたい…?!

     紅葉の気のせいではなく、
  その声が蚊の羽音にも負けるさえずりになっていた‥

     『さあて‥久しぶりにおなごの汁を搾るとしようかのう‥』

     老人の口・便器の溝から指のような肉棒が伸び、
  真上にある剥(む)き出しの紅葉の下の口に触れる‥

    「ひゃっ‥!

     ぶるるっ‥と震える紅葉。
  肉にはさまれ閉じられた下の口
肌色の皮膚に走る一本の朱いすじ
   その溝にあわせて肉棒は身を摺(す)り寄せはじめた‥

  それはねとりとして、紅葉の其処(そこ)に
  ねちゃ付く汁かすを擦(す)り付けていく‥

    「きゃっ‥!やっやめろぉ!

     突然の愛撫?に悶(もだ)える紅葉。
     『ふほほ‥この鳴き声も懐かしいのぉ‥』

   肉棒は身が削れていくかのように細くなると、
  老人の口へと引っ込んでいった。

    『ふむぅ…肉が腐ってしもとるわ‥困っのう‥困った‥』
     その言葉に、自分のあそこにこびりつく“何かが”
  腐肉だと知り紅葉の不快さが増す‥

     「うわぁ!!ううっ‥!

     あそこがぴりぴりと痒くなり、身をよじる紅葉‥

     『天井の‥おまえも笑うとらんで、
  舌でおなごの身を愛(め)でてくれぬか‥』

     「うっ‥?

    悪い知らせと受け取り、紅葉は天井を見上げた。
  するとそこに新たに二つの口が浮き出し、
音もなく緑の帯が紅葉へと飛んだ―

    「えっ‥ひゃあぁ‥!?

     帯は紅葉の襟口から中へと潜り込み、それぞれが
  浴衣に包まれたお乳へと絡みついた―
  紅葉のお乳は姉のものよりも大きく、
  玉のような豊かなふくらみを抱いている。
  その柔らかな肉玉をぎゅっ‥と帯は締め付けた‥

    「くぅ‥!いたいー!!

     同時に二つのお乳を締(し)められた痛みが走る。
  帯はお乳をもぎとらんばかりに締め上げ、
  哀れな肉玉は団子のように二つに割れる‥

     「いたいよぉー!!おっぱいがはじけるよぉー!!

    顔とお乳を朱く染め、紅葉は鳴き叫んだ。

    『なんじゃ‥お前も能が無いの‥
そこはあとで乳をつくらす大事なとこじゃ‥
  痛めてどうする‥!』

    老人が静かに怒りの声を天井に向けると
、   お乳を締めた帯が解けて天井へと戻っていった‥

     『しかたないのぅ‥
  やれやれ、を弄(いじ)らせてもらうかのぉ‥』

     「えっ‥?

       酷く陰険な声に、紅葉はうつむいて老人の顔を見た‥

     「‥ひぃっ!!

     ‥その濁った白目がまるで目の前まで飛び出していた‥

     ‥そう見えた‥

     ‥ぶにょん‥とした生肝の感触まで感じた‥

         そして紅葉の体を異変がおそった…   






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